最古の陸上植物断片

Last updated on Saturday 27th September 2003


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仲田 2003.09.25 Thu 11:16:19
論文によると,オマーンのオルドビス紀の地層のサンプルを段階的にふるいがけしたところ, 細かい多数の胞子の他に,胞子嚢壁とおぼしき断片が付着した胞子の塊が採集されたそうです。 この地層は 4 億 7500 万年前のもので,従来の確かな陸上植物の記録を 5000 万年程遡る発見となります。 (これまでにも陸上植物のものと思われる胞子は多数発見されていた)

一応,コケ植物の苔類に類似するとされていますが, 発見された化石には特徴が少ないことから,これは勇み足ではないでしょうか。 また,状況証拠を踏まえれば,上記の化石が陸上植物と考えることは自然ですが, 今回の化石中に,それが陸上植物由来である決定的な証拠があったかといえば, 素人目ではありますが,決定的とは言い難いのではないかと思います。

オルドビス紀に陸上植物が上陸した可能性を示唆する一つの証拠,と受け取るのが妥当でしょうか。

Wellman, C. H., Osterloff, P. L. & Mohiuddin, U. Fragments of the earliest land plants. Nature 425, 282-285 (2003).

参考(news and views)
Kenrick, P. Fishing for the first plants. Nature 425, 248-249 (2003).

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